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カリブ海の小さな村

著者:Takuya Yamazaki

カリブ海の小さな村

南米周遊の旅最後の国コロンビアから中米パナマへ渡った時の話です。

飛行機を可能な限り使いたくない 

そして下調べを常にだらける悪い癖のある僕は意地でもメキシコまで陸路で行こうと漠然と南米を巡っていました。

そしてその旅路で出会う旅人にそんな話をしていると「てかパナマって陸路でいけるんですか?」とちょいちょい聞かれるようになった。

質問される度に僕は「いけるっしょ!分からないけど。」が口癖になってた。

そしてパラグアイで出会いその後生き別れになっていた友達 龍くんとペルーで再会を果たしそこで龍くんがコロンビアから日本に帰国すると言うのでせっかくだしコロンビアまで一緒に旅をする事にした。

龍くんは途上国に住んでいた経験もあるためちょっとくらいの事では弱音を吐かないたくましく頼りになる男だが夜は枕を抱かなくては寝れない持病があるため毎晩のように俺の枕を盗むのが彼の特技であった。

僕は荷物管理は他の旅人にくらべていい加減ではあるが、南米で盗難をされたのはおそらく枕だけであり常に犯人が同室にいるため回避不可能でしかも犯人は常に自分の体をワイヤーロックのようにして枕と一つになるので僕は眠れない夜を何度も過ごした。

だがこのテキト―な二人も南米を旅する楽しさのおかげで絶交することなく無事一緒にコロンビアに入国した。

それと同時に僕達は旅の思い出話しをつまみに毎晩酒を飲んでは「うちらの別れの日ももうすぐなんだなぁ~。」と寂しくても濡らす枕すらない夜を僕だけが過ごした。


そして別れの日が近いた頃 龍くんは言った。

僕の枕を抱きしめながら言ったのだ。

「今帰国してもやることないんでタクヤさんとメキシコまで行きます」

その一言から二人の旅の第2章が始まったのである。

おそらく中米は枕無しだとまず初めに思った。

だが僕は龍くんには常に「俺は絶対に飛行機は使わないよ!」と魔術をかけていたため龍くんはすぐに「分かりました」と言ってくれた。

そしてすでにコロンビアのカルタヘナ辺りにいた頃 龍君が言った。

「タクヤさん、パナマってどーやって行くつもりなんですか?」と。

僕「バスか船でいけんじゃない?分からんけど。」

の一言が龍くんを不安にさせたかの如くWi-Fiを繋ぎブロガー情報を調べ出した。

そしてネット情報によると

コロンビア~パナマはジャングルになっていて一切道路がない。

国境付近にはゲリラ集団がいる。

など中々当時は何も良い情報がなかったが

パナマ行きの船がカルタヘナから出てると言う情報を何もしない僕に変わって龍君が見つけだし仕方なくその情報を頼りにその船を探して二人は街中を歩いた。

そしてそこで入手した最新情報は先月その船の運航会社が倒産したと言う事だ。

すると遂に龍君が「飛行機」と言う決して言ってはいけない言葉を使ったため僕はそれを阻止するべく遂にWi-Fiを繋ぎ情報収集に自ら乗り出してしまった。

そしてブロガー達の情報を元にコロンビアからパナマまでの行き方をみつけトゥルボと言う小さな町からボートに乗りパナマへ行ける事が分かり僕達はそこへ向かった。その船旅の過酷さはブロガー達が載せているので僕からはあえて言わないでおきます。笑

今思うと現地の船長さん達は僕らがパナマcityにスムーズに行けるようにちゃんとアドバイスをくれたがそれを信用せず無視した事がきっかけでパナマ入国後二人は見事に遭難し助け船を探す日々が遂に訪れた。

二人は浜辺で助けを待った。

朝から晩まで待った。

僕は来るかも分からない船を待ちながら英語の勉強もした。

腹がへって人生で初めてジャングルにバナナを探しにも行った。

トカゲだらけのジャングルで動物用のトラップにひっかかりそうになっていた僕にジャングルで暮らす女性がバナナを分け与えてくれた。

その日から僕の中でバナナは世界遺産になった。

近くにある村の子供と日本伝統の突き飛ばすゲームもした


ジャッキーチェンだと嘘を言って相手がビビった瞬間突き飛ばして勝利!

そして遭難開始から3日がたち村の人からヘリコプター呼ぶか?とまで聞かれたが「飛行機」はNGワードだ。

 

ヘリコプター乗る=妥協と感じてしまった僕は子供達とサッカーをして妥協しそうな気持ちをごまかした。


そして遂に一隻の船がパナマのカリブ海地域に暮らすクナ族達を各村に送るからそれに便乗できるならついでにパナマcityの方角へ送ってくれると言うのだ!

勿論答えはYES !!

そして僕らはクナ族の一員になり荒浪のカリブ海を渡っていった。

だがその日のうちに目的地到着は不可能で途中クナ族の暮らすとある村で滞在することになった。




もう時期大きな街に行けるという喜びのあまり村中を満面な笑みで散策した。

目が合う人全員に手をふった。



子供達が心を開き村を案内してくれた。

みんなが異国からやってきた僕を歓迎してくれているのが凄く嬉しかった。







龍くんはパンツ1枚にリュックという日本なら懲役数年はくだらない変態姿で生活していたが

ここでは逆に現地の人に溶け混みすぎてやはり歓迎されていた。

トイレもエメラルドグリーンの海へぼっとん式だがトイレの脇では子供達が泳いで遊んでいた。

ジャングルの奥にある川で体を洗う生活。

夜は村の大人達と暗闇で酒を飲みながらゲームしたり日本の話もした。

食料もここでは釣った魚を食料にしていてその魚を焼いて僕らに分けてくれたり、これで体洗っていいよ!と石鹸をくれたりする何気ない人々の些細な優しさが僕にとっては大きく感じて僕は涙がでそうになった。

そして僕らはその晩 あるクナ族の家に泊まらせてもらいそこでベッド変わりに貸してもらったハンモックの寝心地、夜遅くまで皆とふれあい笑いあった時間その全てが僕が旅に出る理由を教えてくれてる気がしました。

観光客にとってみたら特別なものはないのかもしれないし、僕自身たまたま訪れる結果になったカリブ海にあるこの小さな村で出会った人達、一緒に遊びまくった子供達もみんな次に僕がまたここを訪れる頃には僕の事を覚えてはいないかもしれないしきっと子供達も大きくなっているだろう。

だけどここの海もトイレも川も村人の優しさも子供達の笑顔も僕は一生忘れない。




だって自分が旅を通してきて1番大切にしたいものがこのカリブ海の小さな村にあるから

著者について

Takuya Yamazaki author

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